最初は何もなかった。
家の中にある植物は偽物。格好良く言えば、フェイクグリーンというやつだ。水をあげたり、陽を浴びせたり、面倒なお世話をしなくていい。楽ちん。
そんな僕が、友人に勧められて、この2人と出会った。アロマティカスとドラセナ。今思えばこの出会いが、すべての始まりだった。
日に日に成長していく、アロマティカス(右)。水耕栽培だから、静かに育つドラセナ。僕はこの二人に植物を見守る楽しみを教えてもらった。
仲間は少しずつ増えていく。今までは買い物中に目に入ることがなかった植物が、なんだか急に目に入るようになった。
見ての通り、この頃のテラスには何もない。後ろの方で、アロちゃんが何気に育っている。この頃からアロちゃんは剪定して、鉢や水に挿して増やし始めた。
お仕事前や後に植物たちを眺めては「ふふふ」と気色悪い笑みを浮かべる日が続く。
植物に目や耳があったら、「キモ」って思われているかもしれないが、彼らはいつも静かにただただまっすぐ育ってくれる。
この頃、ホームセンターが(植物がたくさん売っている)楽しい場所だと気付く。また、100均で(植物用の)オシャレグッズが結構売っていることにも気付く。
おしゃれな花屋さんもテンションが上がるけど、ホームセンターの安くて丈夫な植物たちになんだか心惹かれる日々。
わいわいしてきた。アロちゃんが恐るべき勢いで増えている。そして、僕は遂に「テラスに置く用」の、ちょっとだけ大きい植物に手を出すこことなる。
初テラス植物はテーブルの上に鎮座。威風堂々である。
しかし、僕自身の至らなさにより、悲しいお別れもありました。水のやり方が不味くて枯らせてしまった。ごめんよ。悔やんでも悔やみきれないが、諦め切れずに今でも鉢に水をあげております。
冬には家も手に入れた。あ、植物用のね。
ガジュマル。この頃、インスタを始める。
大好きなものに囲まれる大好きなものの図。
ちなみに、アロちゃんはまだまだ増殖中。
次は多肉植物にハマり出す。
こちら熊童子。本当はもう少し日焼けする。
こちらはセダムくん。ビールから溢れ出る泡みたいでキュート。
福だるま。近隣のスーパーで出会った。名前とその姿に一目惚れ。一時期(写真の頃)ちょっと元気なかったけど、植え替えたら持ち直した。
ツタ系もいいなとヘデラさん。なぜかさん付けになってしまう。中毒性を持っているらしい。食べなきゃ大丈夫だろう。
ここから大型との出会いが増える。テラスが賑やかになっていく。
ユーカリにはいつかコアラの人形を置きたい。ちょうどいい人形を探しているけどなかなか出会えない。
ゴムの木。下には雨宿りするカエル。強く濃い緑には、なんだかいつも元気をもらえる。
影に隠れて、大ボスのオリーブさん。このテラスを静かに悠然と見守っている。日陰も作ってくれる。持って帰るのに苦労したのもいい思い出。
隣にはみかんさん。虫がつきやすいのが玉に瑕。いつも爪楊枝で吹っ飛ばしている。でも確かに美味しそうだもんね。虫たちの気持ちもわかる。だが吹っ飛ばす。
だいぶ賑やかになってきた。古くなったソファも置いて、いつでも休憩できるようにした。たまにここでお昼ご飯も食べる。コーヒーを持っていって一服したりもする。そして虫を吹っ飛ばす。
奥には、楽天通販で頼んだみかん箱二つ。目隠しにもなるし一石二鳥。多肉植物たちをずらりと並べたい。
生憎の雨の日も、中からじっくり眺める。いつも癒しをありがとね。君たちに救われているよ。
庭に守り神登場。ゆらゆらアニマル。ゆらゆらするけど守り神。
守ってる。
王様の名を冠すキングバンブー。
子どもの頃、農家だった実家には実にいろんな植物たちがあった。裏に竹林もあった。パラダイスだった。なんであの素敵さにあの頃気づけなかったんだろう。
ボトルツリー。変な形。
蚊香龍。蚊除けにもなってくれるという夏場の最強助っ人。確かにきんかんみたいな匂いがする。本名はハーブゼラニュームセンテッドローズ。長い。
樽の鉢はホームセンターで購入。この頃から鉢選びの楽しみにも気付いてきた。
アロちゃんたちは家のあちこちへどんどん巣立ち陣地を広げていく。そのうち乗っ取られるかもしれない。
多肉寄せ植えにも挑戦。セダムと福だるまが仲良く同居。花言葉やその名と同様、穏やかに幸福に暮らせているといいなぁ。
こちらは彩り豊か。花いかだに、ロッティー、トリメンシス、クラバツム、グリーンペット、スノージェイド、ベビーサンロード、銘月。まさに、みんな違って、みんないい。
気付いたら、今日のテラスはこんな感じ。
折角だから、角度を変えて見てみよう。
ネギもいる。ネギとネ申ってなんだか似ている。そうでもないか。
守り神も心なしか嬉しそうだ。
君たちに出会えてよかった。
今まで、面倒くさいことから逃げて、いかに楽をして生きるかってことに注力をしてきたけれど、それって全然気持ちよくなかった。健康にもよくなかったし。そこに魅力を感じなくなったのは、君たちのおかげだよ。
大切なことを教えてくれて、どうもありがとう。グリーンズ。
そして、これからもどうぞよろしく。
僕のテラス日記は、これがはじまり。
つづく。