僕はずっと「面倒臭いこと」が苦手だった。
一日の上にある「面倒臭いこと」をどうにかなるべく減らそうと、効率ばかりを考えて暮らしていた。
一人暮らしも長かったから、家事とかね。あとは、人間関係なんかでも「面倒臭い場」を避けていた気がする。
なるべく自分が楽なように。なるべく自分が時間を使わぬように。そしたら、いつの間にかとっても不健康でつまらない人間が出来上がっていた。しかもそれをどこかの誰かのせいにして、「人生つまらない」って勝手に不貞腐れていた。
人生がつまらないのは、自分がつまらない人間だからなのにね。すべては、とまではいかないけれど、その原因の一つは、面倒臭いを排除して生きてきた自分にあったんだと思う。
だって、そう。よくよく考えてみれば、生きていくってことは、実に面倒臭いこと。
いや、ちょっとニュアンスが違うかな。
生きていくには、面倒臭いことが大切って感じかな。そんな大切なことを蔑ろにしていたら、つまらない人間になるのは当然のことなんだ。
そんなことに気付かせてくれたのは、グリーンズたちだった。
あ、グリーンズって観葉植物たちのことね。
▲初期メンバー。今も増殖中。お気に入りはアロマティカス。とにかく強い。
彼らに出会って、水やりとか日当たりとか雑草むしりとか土いじりとか、なんだかんだ面倒臭いことに触れていくうちに、僕はそのことの大切さや気持ちよさを知った。
朝日を浴びて、水や土と戯れて、気温や気候と相談して、失敗もいくつもしながら、そんな風に人間らしい生活を、僕は植物たちのおかげで送れるようになった。面白いよね。
誰かと暮らすように、植物と暮らす。
人生がつまらないと嘆くあなたに、オススメです。