それは、世界を救う勇者の名前でも、
何かを解放する戦士の名前でもない。
アロマティカス。
それは、僕らの毎日とうちのテラスを劇的に変えてくれた、
家族の一人の名前。
真ん中が、アロマティカス。
植物好きの知人に導かれて辿り着いたホームセンターにて、
見た瞬間に一目惚れして速攻連れて帰ってきた多肉植物である。
当時は多肉植物の「た」も知らなかった。
そもそも僕はあんまり虫が得意じゃなくて、
「面倒臭い」をとにかく嫌う人間ということもあって、
植物を育てるなんてことは想像したこともなかった。
うちの中にあるのは専らフェイクグリーン。
それがなぜアロマティカスに惹かれたのか。
まず、アロマティカスは、可愛い。
うん、可愛い。見ればわかる。なんだか素敵。癒される。
それに、匂いも良い。
その香りを活かして、ハーブティーや料理でも活躍するらしい。
それに植物って虫を寄せ付けるイメージだったけど、
ホームセンターの彼らのPOPに「虫がつきにくい」と書いてあって、
「え、マジか」ってなった。なら、選ばない理由は何もない。
アロマティカスがうちに来て、
植物の素晴らしさを知って、
うちにはどんどん緑が増えていった。
最初は屋内。
でも、そのうち、家にはあんまり活用できていない、
陽当たりの良い場所があることに気付いた。
テラスだ。
アロマティカスを皮切りに、
すっかり植物の魅力と魔力にハマった僕らは、
テラスというフロンティアが緑いっぱいになることを夢見て、
深く広大なグリーンの世界に、こっそりと足を踏み入れたのだった。
そして、アロマティカスは増殖した。
みんな元気。
もさもさ増える。
「一人」じゃなくなったけど、まぁいいや。
ここから、僕らのグリーンズライフが始まった。
[…] あの始まりの日も。アロマティカスの横にさりげなくいた。 […]
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